2013年09月08日

アンケート回答(その9 その他)

今回で最終回のアンケート回答です。

【読解力について@】
Q 一朝一夕には無理なことは理解しているが、ポイントの押さえ方が知りたいです。(東灘)

一言で答えるのは難しいです。文章や問題点について、それぞれポイントの押さえ方は違うからです。
あえて言うと、文章は考えや概念の具体化ですから、抽象化できれば、それがポイントになるでしょうか。
抽象と具体の思考の往復ができれば、ポイントは抑えやすくなるかと思います。
何を言うために、どんな理由をつけ、どんな説明を加えているのか。具体例を挙げているのか。逆に、この具体例からはどんなことが言えるのか。こんなことを考えるとポイントは見えるようになってくるのではないでしょうか。

【読解力についてA】
Q 本はたくさん読むし、感動したり、引き込まれたりしますが、それだけで、読解力はついていかないのが悩みです。 (草津)

何事も、多くの物を得れば得るほど満足度が減ると言います。満足するには、少ないものをじっくりと時間をかけて味わう必要があります。多読にももちろんよい効果がありますが、大好きな本を何度も読み返す、言葉を味わい尽くす経験もほしいものです。
その時に読解力が、読みとるということができるようになるのではないでしょうか。

【表現力について】
Q 返事が「どちらでも」ばかりです。どうすればきちんと話せるようになりますか?(東灘)
Q ボキャブラリーの増やし方を教えてください。(東灘)

前の質問については、本当はわかっているけれど、親とは離せないという場合もあります。年頃の子どもなら当たり前のことでもありますので、気にしないでください。
ただ、何も思いついていないと仮定して、同時にボキャブラリーがなくて言えないのだとしたら、やはり「表出面」の学習が少ないのだと思えます。
何度同じことになりますが、失敗を恐れず、書く、話すの表現練習をするしかないと思います。講座と同じ内容になりますが、読書感想文や作文は、その最適の練習です。くれぐれも親が代筆しないでくださいね。類語辞典などでゆっくりと仕上げてください。

【自分の気持ちについて】
Q 文章や言葉で、相手に対してわかりやすく伝えるということの難しさを子どもにどう教えればよいでしょうか。(東灘)
Q 自分の気持ち(表現力)の伝え方などが難しいです。(東灘)
Q 様々なことに興味があるのに、自分の気持ちがない。(東灘)


難しさを教えず、楽しさを教えてあげてください。できれば、身を持って示してほしいです。実は、文章で気持ちを表現するのも、絵を使うのも、音楽を使うのも、身体を使うのも、すべて難しいことです。
講座の中では申し上げましたが、言語学習には「受容面」と「表出面」があります。まず「受容」しないと「表出」できないという性質がありますので、素敵な言葉や本と出会い、そして、使いましょう。
回答5 書く力についてAも参考になるかもしれません。
http://shououblogcoach.sblo.jp/article/74359324.html

あと、基本的なところで、自分の気持ちは、意外と見えないものです。他人からは分かることがあるのにもかかわらず、です。客観的にみると「怒っている」人も、自分では自分のことを「怒っていない!」と言い張ることはよくありますし、楽しい気持ちはもっと無意識だったりします。感情は自覚がないことが多いし、自分のことを見つめるのは存外難しいものですから、言語化はもっと難しいのです。でも、あきらめないでください。文学者、その他芸術家の方々が、既に努力してくれていて、私たちはそれを理解することで自分の力に変えることができるのです。そして、自分の感情も幅の広い多様な、深く彩りのあるものになるのです。


【文章力について@】
Q 本人が飽きてしまい、文章を書き続けられる時間が短いです。 (草津)

「書くこと」、これも、楽しい作業だとちいさい時に体験しておかないとできるようにならないことのひとつです。
楽しんで身に付ける時期を逃してしまった場合は、必要に駆られる必要があります。学校でのレポートなどがあるといいのですが。周囲の人は励ます、共に頑張る、以外にはできることがありません。年齢を経れば経るほど、身に付けるのが難しくなるので、とにかく早く必要に駆られるシチュエーションを作ってください。

【文章力についてA】
Q 長い文章にしすぎて、主語と述語がおかしくなります。 (草津)

短い文章から練習すべきですね。接続詞を意識的に使うようにすると、文章が短くなるようです。

【聞き取りについて】
Q 聞き取りが苦手です。(吹田)
私は、これがなぜ発覚したのかということに興味がありますが、さておき、「受容面」が弱いということですね。集中力とイメージ力を鍛えると解決するかもしれません。
幼いころならば読み聞かせ、小学校高学年ならば、「なぜ どうして 科学の話」や「10分で読めるお話」シリーズを実学年通り、あるいはやや下の話を一読(あるいは一度の音読、聴読)で文字を見ずに内容を確認するということを、クイズのように楽しんでやってみてください。

以上で質問にはすべてお答えしたことになります。ピックアップ・要約してニュースレターに載せることも検討中です。
秋口には、教室生、および夏期講習生の希望者に懇談が始まります。外部生にも開かれた公開講座もございます。
お悩みに対して、一つのアイデアしか出せませんが、何かのヒントになれば幸いです。
posted by るみ先生 at 23:01| Comment(0) | 公開講座関連

アンケート回答(その8 テスト・成績について)

Q 文章問題が苦手です。(東灘で二件)
Q 成績を伸ばしたいです。(東灘)
Q 得点することを意識した勉強ができていません。(東灘)


テストに関する質問は、東灘での講座で集中しました。土地柄でしょうか。
まず、先に断らなければならないのは、私はあまりに幼い時期にする「点数を気にしすぎた学習」は、将来によい影響を与えないと考えているタイプの人間だということです。
二十年以上見ると、小さいころに見せてもらった子どもたちが、高校・大学、さらに就職したり大学で研究をつづけたり、と、受験の先まで見せてもらうことが多くなります。その時に、得点力・学歴が幸福度とそのまま結びついていないことも気づかされます。(まあ、そう言ってしまうと、知性も幸福度とは完全には結び付いていませんが、人生の上での困難を乗り切る時や喜びの幅を広げるのに使われているので、いいとします)
前述ノーム・チョモスキー博士が「エリート大学は最も従順な生徒を選択し、体制順応者を生産する」と著書で述べているのを読んで、クラクラしない塾講師はいないと思います。制限時間内に、出題者の意図する答えを言い当てていくテストという形でしか、子どもの能力は図れないのか、弊害はないのか、常に意識しないといけません。

その上で、お応えします。
文章問題、算数や理科で長い文章と共に出題されるものが分からないというのは、文字からのイメージ力が弱いことが原因であることが多いです。親しくしている大阪の算数専門塾「山本塾」の先生からお話を伺った時も、同じことを感じました。
山本塾の特別授業は、その子どもの「数」と「図形」のイメージを鍛える素晴らしいものでした。
しかし、私は国語塾の講師ですので、国語風の鍛え方を一つ紹介します。(彼に教えてもらったものでもあるのですが)一年に一回くらいしか、教室では取り組まないのですが…
学校で習う数式と答えを元に、「それを用いて解くような、文章問題を自分で作る」というものです。そうすると、数値と加減乗除のイメージをつかむことができます。また、誰かに解いてもらった時、自分の言い方が通じていない時があるのも分かります。もし、通じていない、あるいは「もっと難しい問題を作りたい」となると、他の人の出題の仕方、つまり問題集などの言い方にも注目し始めます。
抽象的な学問である数学が始まる前に有効です。

次に、得点することを意識した勉強は、「どうしても合格したい」あるいは「得点することでほめられたい」「他人と比較して自分の位置づけを知りたい」というものに基づきます。
逆に言うと、そういう意識をしっかりと根付かせると、一点をおろそかにしないテストの受け方や勉強の仕方ができるようになります。
以下、ちっちゃいノウミソの私の考える、ダメージの少ない方法を提示します。
小学校中〜高学年で、かつある程の度読解力がないと意味がありませんが、藤原和博先生の「キミが勉強する理由」には、得点する方法について、具体的な説明があります。子ども自身が意識が変わることがあります。

次に、先述の中で、一番精神にダメージが少ない動機は、「どうしても合格したい」ではないかと思います。「合格して、どうなりたいのか」というところもイメージしておきましょう。
実は、私は大学受験の時、大変難関の大学を目指していました。しかし、現役センター試験時、体調不良によりあっけなく失敗しました。泣き、悔しがり、浪人する、と親に宣言しました。その時、私の論文指導をしてくれていた塾の先生が「キミは大学を出て、何になるつもりなの? なんでその大学に行きたいの?」と改めて聞いてくれました。私は私の夢を語りました。すると、その先生はあっさりと「ああ、それなら、どの大学でも大丈夫」とおっしゃったのです。そして、浪人をした時の、経済的な負担と問題点などを数字を使って説明してくれました。また、ある先生の授業を受けたいと思っていたのですが、それも聴講や特別講義があることを教えてもらえました。それで、救われましたし、勉強をする意味を見失わずに済みました。
実は、それでも滑り止め別大学の受験はしたものの、第一志望校の国立大学を再チャレンジするかどうかぐずぐず悩んでいましたので、結局私は自分を「偏差値」という小さな相対値で考え、他人と比較して相対的に優秀であると他人に示したかったのかもしれません。我ながら、残念な思考です。

中学受験時は、まだ、精神年齢に大きな差があります。合格も不合格も、まだまだ人生は続きます。どこで成功したいのか、中学、高校、大学、職業、人生、、、、きちんとイメージしていないと、勉強が嫌いになってしまうことも、不要な劣等感を植え付けることも、ありえます。
解ける喜びをきちんと感じているか、その上で得点できなかったところの見直しをしましょう。あと、集中力をつけましょう。少しずつでかまいませんので、長い時間でも考えられるか。これは若いうちにしか身に付けられませんので。(ちなみに、集中力は勉強以外でも鍛えられると思いますので、中学受験をしなければならないということはないです。辛いことをするんだから、せめてこれくらいは身に付けないと、という意味です。)

国語の問題に関していうと、得点できない場合、文章が理解できていないのか、設問が理解できていないのか、見極めてください。
文章が理解できていない場合、細部が理解できていないのか、大筋(主張や粗筋)も理解できていないのか。遠回りのようですが、大筋をつかむ練習を多く積むことを優先してください。こちらの方が時間がかかります。
設問の理解については、半年程度多くの問題を解き、見直しと手直しを繰り返すと、ある程度身に付きます。早くにこれをすると、文章を理解するという本質を忘れがちになります。そうすると、長期的には国語力が落ちていきます。塾などでがんばっているのに点数が落ちてくる場合は、解く量を減らして、解いている問題集の要約や粗筋整理を書き出してみてください。遠回りのようで、効果が高い方法です。
読解力は何のために鍛えるのか。
文学的文章はなぜ学習するに値するのか。
説明的文章はなぜ理解できないと困るのか。
本質を忘れず、ブレずに勉強しましょう。
posted by るみ先生 at 21:24| Comment(0) | 公開講座関連

アンケート回答(その7 漢字学習)

Q 漢字が苦手。間違える時は新しい漢字を作ってしまう。(三田)
Q 漢字が苦手なのですが、どうすればいいのでしょうか。(東灘)


漢字を覚えられないという悩みも多く寄せられました。外国の人と接することが多いのですが、漢字圏でない人にとっては、これはもうとんでもなく難しいことのようですね。
そんな学習が難しい漢字ですが、できれば早いうちに少しずつ慣れていくのがいいようです。
私の知っている、子どものための良質な教材を、個性と学習レベルに応じて以下のものを挙げます。それぞれ、利点と欠点があります。もちろん、他にもいい問題集はあると思いますので、もしご存じなら教えてください。

@漢字そのものが覚えられていない場合 オリジナル漢字を作ってしまうような場合

「漢字がたのしくなる本」全六巻(太郎次郎社)
表意文字かつ表音文字である、漢字の成立と原理が分かります。おくりがななど、間違いやすいところもよく分かります。
絵・記号からできている漢字(象形文字・指事文字)、その意味を合わせて新しい意味をつくりだした漢字(会意文字)、そして意味(部首)と音に分けて成立している漢字(形成文字)の順でできています。
私は二巻の「会意文字」の説明が楽しくて好きです。また、形成文字のルールを覚えると、意外と漢字を覚えるのは苦ではないと気づきます。ワークタイプと本の二種類ありますが、子供にはワークの方が書き込み勉強をしやすいです。
ただし、学年配当に対応していません。一巻の象形文字・会意文字ですら、常用漢字以外のものが出てきます。あと、三巻あたりから画数の多い漢字が増えるため、続かなくなる生徒が多いようです。また、ドリルワークのように語彙が増えるわけではない(熟語で覚えない)ので、勉強が即テストでの効果を感じるということも少ないです。あと、急いでやりすぎると、本質を理解するというこの本の良いところが失われがちになります。
しかし、漢字とは何か、そのものから自然な形で理解でき、その意味も身に付く、そして学術的にもそった素晴らしい出来のものなので、個人的には一押しです。ゆっくり、計画を立てて進めてほしいです。

A漢字そのものは覚えているが、使い方がよく分かっていない
 漢字の勉強が大嫌い

漢字童話シリーズ(本の泉社)

漢字ドリルがお話になっています。それぞれの学年別のお話は、その学年の履修漢字が□で空欄が作られていて、そこを埋めていくと、お話の終了と共に一通り学習が終わるという仕組みです。
話の続きが気になるので、楽しく勉強できます。復習問題も載っていて、使い勝手もなかなかよいです。お話の中で、使い方とともに勉強できます。また、自分の学年より前のものをするのも、そんなに苦ではありません。私たちは、コピーして渡し、出来上がってから次のページを渡すようにしていますので、結末が知りたければ、書くしかありません。
ただし、同じ漢字を何度も書かなくてはならない時があります。効率的ではありません。また、学年だけのものはなく、見た目は小1〜3、小4〜6、といった具合で薄いドリルではなく、太い本のようです。
昔、私は、入試によく出ることわざや慣用句、和語を用いた物語を書き、子供たちがそのことわざ慣用句部分の空欄を埋めていく、という続きもののプリントを作ったことがあります。子供たちには大変好評でしたが、とんでもない労力を必要とするものでした。それを思うと、この作者には本当に頭が下がります。

Bでる順漢字(旺文社)

進学塾に通うと、難問奇問をたくさん並べた問題集を渡されたりしますね。難問奇問も多すぎると、どうしても辞書を引く手間を省き、問題さえ解ければよいという姿勢になってしまいます。
その点、これは勉強の進んでいる生徒には「ほどよいむずかしさ」であるように思えます。中学受験をするならば、これくらいはマスターしてほしいところですね。同音異義語や同訓異字などにまとめている点、入試形式の問題も添えてある点など、いわゆる「問題集」としては優秀です。

C漢検向け問題集(各社)

漢検は競争心の高い子どもには、とても効果的です。先取り勉強もゲーム感覚になります。ただ、こうした検定もので注意しないといけないのは、満点(パーフェクト)でなくとも「合格」してしまうので、履修できていないものがそのままになってしまうことがある、ということは留意してください。漢字に関しては、常用漢字までは「パーフェクト」であってほしいものですから。
posted by るみ先生 at 19:29| Comment(0) | 公開講座関連